オイルシール(OIL SEAL)

pic-oilseal.jpgオイルシールの選定では、型式(形状の規格)とサイズ、材質(リップ部、バネ、金属環)を組み合わせ、使用用途に適合するものを決定します。桜シール株式会社では、様々なシール(パッキン及びガスケット)の中でも特に豊富なゴムの種類を擁するOリング材質に係る深い造詣を活かし、リップ部に特殊な機能を有するゴム材質を用いることなども可能です。汎用材質で広く使用されているニトリルゴム(NBR)の他、最も得意としているフッ素ゴム(FKM)パーフルオロエラストマー(FFKM/パーフロ)などによる材質で、多種多様なオイルシールを成形いたします。

型式(形状の規格) 材質(リップ部、バネ、金属環)

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オイルシールの型式(形状の規格)とサイズ(寸法表)

日本国内で流通しているオイルシールの型式は、JIS(日本工業規格/JIS B 2402)、JASO規格(日本自動車技術会規格/JASO F 401)、若しくはISO規格(国際標準化機構規格/ISO 6194)に規定されている形状がベースとなっているものが大半を占めています。下表は、代表的なオイルシールの形状に係る主要な規格とメーカー型式とをまとめた互換(相当)形状の一覧表です。用途別に型式を分類したものであることから構造が完全に一致するものではありませんが、各型式の寸法表と併せ、オイルシール選定の参考として活用して下さい。

尚、桜シールの基幹製品はOリングである為、全ての型式を網羅したオイルシール金型は保有していません。一定以上の生産量が見込まれるものや、リップ部などの材質に桜シール社が最も得意とするフッ素ゴム(FKM)、若しくはパーフルオロエラストマー(FFKM/パーフロ)をはじめとする高機能ゴム材質などを用いるもの、或いは設計から行うような特殊形状のものなどを中心に、オイルシール金型の増面を行っております。汎用的なオイルシールの小規模な需要に対しては、安定した品質が確保されている以下の主要メーカー製品をお薦めし、また販売させて頂きます。


オイルシールの規格一覧表(代表的な型式の互換と寸法表)

形状

(型式の略図)

規格

JIS: JIS B2402
JASO: JASO F 401
ISO: ISO 6194
DIN: DIN 3760
主要なオイルシールメーカー
SAKURA

桜シール

NOK

NOK

KOYO

ジェイテクト

(光洋)
NDK

キーパー
TOYO

東洋
オイルシール
製作所
typeSC.png
JIS タイプ1 M2 SC
(寸法表)
MHS
(寸法表)
IS
(寸法表)
SO
(寸法表)
旧JIS S
旧々JIS AJ
JASO S
ISO Type  1
DIN A
typeSB.png
JIS タイプ2  X2 SB
(寸法表)
HMS
(寸法表)
ISM
(寸法表)
SM
(寸法表)
旧JIS SM
旧々JIS AK
JASO SM
ISO Type  2
DIN B
typeTC.png
JIS タイプ4 M TC
(寸法表)
MHSA
(寸法表)
ISD
(寸法表)
TO
(寸法表)
旧JIS D
旧々JIS PJ
JASO D
ISO Type 4
DIN AS
typeTB.png
JIS タイプ5 X TB
(寸法表)
HMSA
(寸法表)
ISMD
(寸法表)
TM
(寸法表)
旧JIS DM
旧々JIS PK
JASO DM
ISO Type 5
DIN BS
typeVC.png
JIS
G M2V VC
(寸法表)
MH
(寸法表)
DS
DSR
(寸法表)
VO
(寸法表)
旧JIS BJ
旧々JIS BJ
JASO G
ISO -
DIN -
typeVB.png
JIS GM X2V VB
(寸法表)
HM
(寸法表)
DSM
VM
旧JIS BK
旧々JIS BK
JASO GM
ISO -
DIN -
typeKC.png
JIS - MV KC
(寸法表)
MHA
(寸法表)
DSD
DSRD
TVO
旧JIS -
旧々JIS -
JASO P
ISO -
DIN -
typeKB.png
JIS - XV KB
(寸法表)
HMA
(寸法表)
DSMD
TVM
旧JIS -
旧々JIS -
JASO PM
ISO -
DIN -

形状

(型式の略図)

主な用途

主要なオイルシールメーカー
SAKURA

桜シール

NOK

NOK

KOYO

ジェイテクト


(光洋)
NDK

キーパー
TOYO

東洋
オイルシール
製作所
typeTCV.png
中圧用 MP TCV
(寸法表)
- ISP1D
(寸法表)
TOP
(寸法表)
TCNtype.png
高圧用 MPA TCN
(寸法表)
- - TOPA
(寸法表)
typeDC.png
二液分離用 MD DC
(寸法表)
MHSD ISVW
ISW
DO
typeDB.png
二液分離用 XD DB
(寸法表)
HMSD
YSD
- DBM
OCtype.png
ハウジング回転用 MO OC
(寸法表)
XMHS OF OCS
typeMG.png
軸端からの挿入が困難な箇所に使用 - MG MS SS
SR
RMG
typeZF.png
プランマブロックの台形溝用 ZF ZF MZ GS SZF

 

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Vリング(端面シール)の規格一覧表

形状

(型式の略図)

SAKURA


桜シール

FORSHEDA


トレルボルグシーリングソリューションズ

(フォーシェダ)

NOK


NOK

KOYO


ジェイテクト

(光洋)

TOYO


東洋オイルシール
製作所
Vring_A.png
Vリング A Aタイプ
(寸法表)
VR
(寸法表)
MV ...A
(寸法表)
VRA
(寸法表)
Vring_S.png
Vリング S
Sタイプ
(寸法表)
- - -
Vring_L.png
Vリング L
Lタイプ
(寸法表)
- - -
Vring_LX.png
Vリング LX LXタイプ
(寸法表)
- - -
Vring_AX.png
Vリング AX AXタイプ
(寸法表)
- - -
Vring_RM.png
Vリング RM RMタイプ
(寸法表)
- - -
Vring_RME.png
Vリング RME RMEタイプ
(寸法表)
- - -
Vring_E.png
Vリング E Eタイプ
(寸法表)
- - -

 

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オイルシールの材質

オイルシールの材質は、構造上の3部品(リップ部、バネ、金属環)それぞれが選定の対象となります。オイルシールが長時間に亘って適正な性能を発揮できるよう、使用環境に対して十分な耐久性を持つ材質を選択して下さい。尚、一般にオイルシールの材質選定では、最も重要な機能部であり且つシール対象物からの影響を受け易いリップ部の材質が、選定の要となります。

name-oilseal.png

 

リップ部の材質

リップ部は、対象物(油や薬品などの流体)に直接触れてシールを行う、オイルシールの機能に於ける要の部品です。リップ部に用いられるゴム材質には、Oリング用で求められるような物性はあまり必要とされず、ゴム弾性による復元力が最も重視されます。従って、温度環境とシール対象物の種類を中心に耐久性を勘案し、選定を行うのが一般的です。尚、高温環境に於ける熱老化や、低温環境に於けるガラス転移(高分子が活性を失って硬くなること)、シール対象からの悪影響(膨潤や分解、抽出といった現象)に係るゴム材質の変化メカニズムは、Oリングのゴム材質と同じ理論で説明することが出来ます。Oリング材質の耐熱性耐寒性耐油性耐薬品性耐候性(耐オゾン性)などの項も参考にして下さい。

 

オイルシールのリップ部に用いられる主な材質の一覧
種類/
材料系統
温度範囲の目安 特徴
低温側 高温側





ニトリルゴム

(NBR)
−30℃ +100℃

オイルシールに用いられるゴム材質では、最も広く使用されている一般的な材質です。安価であり、鉱物油に対する耐性を有し、また耐摩耗性にも優れています。但し、耐候性には劣る他、燃料油(ガソリン・軽油・灯油)、エステル成分の多い化学合成油などには適しません。

フッ素ゴム

(FKM)
−20℃ +230℃

汎用オイルシールのゴム材質に於いては、非常に性能の高い材質です。バイトンの通称で知られ、耐熱性や耐油性、耐薬品性などを兼ね備えていることから、広範囲に使用することが出来ます。尚、2元系フッ素ゴムと呼ばれるこの材質を含め、各種フッ素ゴム材質の成形加工は、桜シール社の最も得意な分野です。

シリコンゴム

(VMQ)
−50℃ +200℃

耐熱性や耐寒性、耐候性などに優れた材質です。ブレーキ油(グリコール系)や難燃性作動油(リン酸エステル系/動植物油)などに適しています。但し、鉱物油などに対する耐性は、ニトリルゴムやフッ素ゴムよりも劣っています。







パーフルオロエラストマー

(FFKM/パーフロ)
0℃ +230℃

高機能ゴム材質のひとつです。ゴム材質に於いて最も優れた耐薬品性を有し、殆どの流体に対する耐性を備えています。その他、耐熱性などにも優れますが、高価です。尚、パーフロを含む各種フッ素ゴム材質の成形加工は、桜シール社が最も得意としている分野です。

参考: フロロパワーFF(Oリング)

フロロパワーシリーズ(Oリング)

3元系フッ素ゴム

(3元系FKM)
−10℃ +200℃

高機能ゴム材質のひとつです。汎用の2元系フッ素ゴムと比較して物理的にも化学的にも良化しており、強酸や蒸気(スチーム)に対する耐性も有しています。尚、3元系を含む各種フッ素ゴム材質の成形加工は、桜シール社が最も得意としている分野です。

参考: フロロパワー3F(Oリング)

フロロパワーシリーズ(Oリング)



アクリルゴム
(ACM)
−25℃ +150℃

耐熱性の面で、ニトリルゴムの上位互換、若しくはフッ素ゴムの下位互換として用いられることの多い材質です。ニトリルゴムと同程度の耐油性を備えています。

水素化ニトリルゴム

(HNBR)
−25℃ +140℃ 耐油性の面で、ニトリルゴムの上位互換、若しくはフッ素ゴムの下位互換として用いられることの多い材質です。燃料油に対する耐性も有しています。

エチレンプロピレンゴム

(EPDM)
−40℃ +130℃

汎用オイルシールに用いられることは少ない材質です。耐水性に優れ、不凍液(エチレングリコール系)やブレーキ油などに適しています。

4フッ化エチレン樹脂

(PTFE/テフロン)
(−65℃) (+250℃)

優秀な耐熱性や耐寒性、耐薬品性、表面潤滑性などを有す材質ですが、ゴム材質のようなシール性能はありません。パーフルオロエラストマー(FFKM/パーフロ)などの高機能ゴム材質を推奨いたします。

参考: 4フッ化エチレン樹脂(Oリング)

フロロパワーシリーズ(Oリング)

* 上記は参考データです。実際のご使用では諸条件が複雑に影響します。一般的な仕様が当て嵌まらない場合があるので、ご使用に当たっては適合性の確認を行って下さい。

 

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バネ(スプリング)の材質

バネは、リップ部をに押し付けてシール機能を高め、且つその状態を維持させるのに必要な部品です。オイルシールのバネ及び金属環に用いられる材質は、シール対象物(油や薬品などの流体)に対する耐性を勘案して選定を行いますが、特にバネについては、金属環よりも直接シール対象に接触することの多い部品なので、注意が必要です。シール対象物が潤滑油やグリスといった一般的なものである場合は標準材質を、水(または水蒸気)や腐食性の高い薬液(またはガス)などの場合は専用材質を、適切に選択して下さい。

オイルシールのバネ(スプリング)に用いられる主な材質の一覧
種類/材料 規格 シール対象と耐性
潤滑油/
グリス
作動油 燃料油 水蒸気 海水 塩酸/
硫酸/
硝酸
酢酸 苛性ソーダ 苛性カリ アンモニア水 アミン類 極性溶剤 アルコール類
標準材質 SW JIS G 3521
硬鋼線
× × × × ×
SWP JIS G 3522
ピアノ線
× × ×
専用材質 SUS304 JIS G 4309
ステンレス鋼線
SUS316

 

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金属環の材質

金属環は、オイルシールとハウジングとのはめあい力を維持し、またリップ部を定位置で機能させる為の役割を担っています。オイルシールのバネ及び金属環に用いられる材質は、シール対象物(油や薬品などの流体)に対する耐性を勘案して選定を行います。リップ部やバネと比較してシール対象物からの影響を受け難い部品ではありますが、適切な選択を行って下さい。

オイルシールの金属環に用いられる主な材質の一覧
種類/材料 規格
シール対象と耐性
潤滑油/
グリス
作動油 燃料油 水蒸気 海水 塩酸/
硫酸/
硝酸
酢酸 苛性ソーダ 苛性カリ アンモニア水 アミン類 極性溶剤 アルコール類

SPCC
JIS G 3141
冷間圧延鋼板/鋼帯
× × × × ×
SPHC JIS G 3131
熱間圧延鋼板/鋼帯
専用
材質
SUS304

JIS G 4305

冷間圧延ステンレス鋼版

及び

JIS G 4307

冷間圧延ステンレス鋼帯

× × ×
SUS316

 

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