VMQ-50(シリコン50°/半透明SI50)は、広い温度帯域で使用可能な優れた耐熱性と耐寒性を保持し、耐候性なども有しているシリコンゴムを原材料としたOリング用のゴム材質です。標準色が半透明色(シリコン原色)であるこの材質は、清潔感のある色調が製品の外観を衛生的に映す為、特に食品やサニタリー分野で広く使用されています。また、硬さが低く(A50)設定されていることから、締め込みの弱い箇所や、溝本体の強度が弱い箇所でのシールにも適しています。但し、シリコンゴムの特性で耐油性や物性は劣り、耐圧性も芳しくありません。尚、VMQ-50は、規格(JIS B 2401)材質で硬度A70のVMQ-70(4種C/4C)と並び、広く流通している汎用材質(準規格(JIS B 2401規格外)材質)です。
* Oリング以外でも様々な形状の製作が可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
VMQ-50の参考値
VMQ-50は、公的な規格(JIS B 2401)材質ではありませんが、50SI(50°シリコン)などの名称で広く流通している準規格(JIS B 2401規格外)材質です。
試験種類 | 項目 | 参考値 |
---|---|---|
常態物性試験 | 硬度 (JIS-A) | A50±5 |
引張強さ (MPa) | > 3.0 | |
伸び率 (%) | > 150 | |
100%引張応力 (MPa) | ― | |
耐熱老化試験 | 試験条件 | 230℃×24時間 |
硬さ変化 | < +10 | |
引張強さ変化率 (%) | > −25 | |
伸び変化率 (%) | > −35 | |
圧縮永久歪み試験 | 試験条件 | 175℃×22時間 |
圧縮永久歪み率 (%) | < 30 |
使用温度範囲
推奨値は−50〜200℃です。但し、最高温度域での継続使用は熱硬化による破損が生じやすく、寿命が短くなります。また最低温度域ではゴム弾性が悪くなる為、シール性が下がってしまいます。ご注意下さい。
圧力特性
最高圧力の推奨値は0.3MPaで、芳しくありません。但し、諸条件によって数値は異なります。尚、耐圧性はバックアップリングの併用で向上させることが出来ます。
耐薬品性
シロキサンに耐油性が無いことをはじめ、あまり優れてはいませんが、不活性流体のシールには向いています。Oリングの耐薬品性 (接触流体と材質の適合性)にてより多くの液体や気体に対する耐性の一覧を掲載しておりますので、下表と併せて参考にして下さい。
薬品名 | 耐性 | 薬品名 | 耐性 |
---|---|---|---|
亜硫酸ガス | × | スピンドル油 | △ |
アンモニア水 | × | 100℃水蒸気 | 〇 |
IPA | 〇 | 150℃水蒸気 | 〇 |
エタノール | 〇 | 灯油 | × |
エチレングリコール | △ | トルエン | × |
エマルジョン系作動油 | △ | 動物油 | × |
塩酸 | × | ナフサ | × |
エンジン油 | △ | フッ素オイル | ◎ |
オゾンガス | ◎ | フッ酸 | × |
過酸化水素水 | △ | フレオンR134a | × |
苛性ソーダ | △ | ブレーキフルード(エーテル系) | × |
ガソリン | × | ベンゼン | × |
カップグリス | △ | マシン油 | △ |
ギア油 | △ | 水 | ◎ |
軽油 | × | 水(100℃) | 〇 |
酢酸 | △ | 水系切削油 | △ |
硝酸 | × | MEK | × |
植物油 | △ | りん酸エステル系作動油 | △ |
次亜塩素酸ソーダ | × | 希硫酸 | △ |
シリコングリス | × | リチウムグリス | × |
◎:使用可 〇:多少の影響有り △:あまり推奨しない ×:使用不可
注)上記は参考データです。温度や圧力、その他の条件によって使用可否は変化します。
主な使用箇所
取扱注意点
〒130-0021
東京都墨田区緑3丁目4番10号
桜シール本社ビル