フロロパワー(Fluoro-Power)®ほか、カルレッツ(Kalrez)®などの各メーカーが掲げる高機能ゴム材質は、互換的に使用できるものが多い反面、特定の用途を目的に特別な性能が付与されているものも含まれています。相当品として取り扱う場合は、ご使用の条件などを注意深くご確認ください。
フロロパワーFQの物性値
物性面は通常のシリコンゴム材と同レベルです。参考として、VMQ-70 (4C)のJIS規格値を併記します。
試験種類 |
項目 |
フロロパワーFQ (測定値) |
(参考)現JIS
JIS B2401 :2012 VMQ-70 |
(参考)旧JIS
JIS B2401:2005 4種C |
常態物性試験 |
硬度 (JIS-A) |
72 |
70±5 |
70±5 |
引張強さ (MPa) |
8.16 |
> 3.5 |
> 3.4 |
伸び率 (%) |
200 |
> 60 |
> 60 |
100%引張応力 (MPa) |
4.08 |
― |
― |
耐熱老化試験 |
試験条件 |
200℃ x 70時間 |
230℃ x 72時間 |
230℃ x 24時間 |
硬さ変化 |
-2 |
< +10 |
< +10 |
引張強さ変化率 (%) |
-6 |
> -10 |
> -10 |
伸び変化率 (%) |
-10 |
> -25 |
> -25 |
圧縮永久歪み試験 |
試験条件 |
175℃ x 22時間 |
175℃ x 72時間 |
175℃ x 22時間 |
圧縮永久歪み率 (%) |
8 |
< 30 |
< 30 |
使用温度範囲
推奨値は−70〜200℃です。但し、最高温度域での継続使用は熱硬化による破損が生じやすく、寿命が短くなります。また最低温度域ではゴム弾性が悪くなる為、シール性が下がってしまいます。ご注意下さい。
圧力特性
最高圧力の推奨値は0.5MPaで、芳しくありません。但し、諸条件によって数値は異なります。尚、耐圧性はバックアップリングの併用で向上させることが出来ます。
耐薬品性
耐油性(耐燃料油性)に優れます。但し、溶剤やアルカリ性薬品には適していません。Oリングの耐薬品性 (接触流体と材質の適合性)にてより多くの液体や気体に対する耐性の一覧を掲載しておりますので、下表と併せて参考にして下さい。
薬品名 |
耐性 |
薬品名 |
耐性 |
アセトン |
× |
ジメチルアセトアミド |
× |
アニリン |
◎
|
ジエチルエーテル |
×
|
アンモニア水 |
△
|
シンナー |
×
|
IPA |
〇
|
150℃水蒸気 |
〇 |
エタノール |
〇
|
テトラクロロエチレン |
×
|
エチレングリコール |
〇
|
テトラヒドロフラン |
×
|
エチレンジアミン |
×
|
灯油 |
◎
|
N-メチル-2-ピロリドン |
×
|
トリクロロエチレン |
×
|
塩酸 |
△
|
トルエン |
×
|
エンジン油 |
◎
|
動物油 |
◎
|
過酸化水素水 |
◎
|
フッ酸 |
〇
|
苛性カリ |
×
|
フレオンR134a |
×
|
苛性ソーダ |
×
|
不活性フッ素オイル |
〇
|
ガソリン |
◎
|
ブレーキ油 |
◎
|
カップグリス |
◎
|
ヘキサン |
〇
|
ギア油 |
◎
|
ベンゼン |
×
|
キシレン |
×
|
マシン油 |
◎
|
軽油 |
◎
|
水系切削油 |
△
|
クロロホルム |
×
|
メタノール |
△
|
ケロシン |
◎ |
MEK |
×
|
酢酸 |
△
|
メチルイソブチルケトン |
×
|
無水酢酸 |
△
|
モノエタノールアミン |
×
|
酢酸エチル |
×
|
ラッカー |
×
|
硝酸 |
△
|
リン酸エステル系作動油 |
〇
|
植物油 |
◎
|
希硫酸 |
〇
|
次亜塩素酸ソーダ |
〇
|
硫酸 |
△ |
四塩化炭素 |
×
|
リチウムグリス |
◎
|
シリコングリス |
△
|
鉱油系冷凍機油 |
◎
|
◎:使用可 〇:多少の影響有り △:あまり推奨しない X:使用不可
注)上記は参考データです。温度や圧力、その他の条件によって使用可否は変化します。
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