FKM-90(90°FKM/高硬度フッ素ゴム/バイトン90)の概要

FKM-90_桜シールOリング.jpgFKM-90(90°FKM/高硬度フッ素ゴム/バイトン90)は、耐熱性耐油性耐薬品性耐候性などに優れるフッ素ゴム(FKMによるOリング用のゴム材質で、硬度が高く(A90)設計されていることから耐圧性にも優れています。標準硬度(A70)のFKM-70(4種D/4D/バイトン)に対する高硬度タイプに位置し、略同等の耐油性や耐薬品性を有していますが、物性の面では大きく異なります。高硬度化によって強度が向上している半面で伸び率などは低下しており、またつぶし応力が高くなることから剛性の高い溝部が必要になります。尚、新たな規格(JIS B 2401)材質として規格値と正式名称が与えられたFKM-90ですが、それ以前から広く流通している汎用材質のひとつです。


 * Oリング以外でも様々な形状の製品製作が可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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化学構造

FKM-90.png2フッ化ビニリデン・6フッ化プロピレン共重合物です。主鎖のほぼ全てに含まれるフッ素化合物が、優れた耐熱性や耐薬品性に寄与しています。一般的にフッ素ゴムとして流通しているOリング材質の大半は2元系フッ素ゴムと呼ばれるこの構造に属します。尚、2元系の化学構造に-(CF2-CF2)-が付いたものを3元系フッ素ゴムと呼びます。

 

 

関する法規制等

  • RoHS指令10物質(Pb, Cd, Hg, Cr6+, PBB, PBDE, DEHP, BBP, DBP, DIBP)の含有量は閾値以下です。
  • REACH規制対象物質の意図的添加はいたしておりません。

FKM-90(90°FKM/高硬度フッ素ゴム/バイトン90)の特性値や物性値

JIS B2401で規定される規格値

規格(JIS B 2401)材質に於いて相対的に高い性能を有しているこの高圧力用の材質は、現行のJIS規格(JIS B2401:2012)より、FKM-90として公的規格値が定められました。

試験種類 項目 JIS B2401 :2012
FKM-90
常態物性試験  硬さ (JIS-A) A90±5
引張強さ (MPa) >10.0
伸び率 (%) >80
100%引張応力 (MPa)
耐熱老化試験 試験条件 230℃×72時間
硬さ変化 <+5
引張強さ変化率 (%)
>-10
伸び変化率 (%)
>-25
圧縮永久歪み試験 試験条件 200℃×72時間
圧縮永久歪み率 (%) <40

 

 

使用温度範囲

推奨値は−10〜230℃です。但し、最高温度域での継続使用は熱硬化による破損が生じやすく、寿命が短くなります。また、最低温度域では高硬度の影響も相俟ってゴム弾性を失い易く、シール性が下がってしまいます。ご注意下さい。



圧力特性

最高圧力の推奨値は6MPaです。但し、諸条件によって数値は異なります。尚、耐圧性バックアップリングの併用で向上させることが出来ます。

 

 

耐薬品性

耐油性をはじめとして非常に優れていますが、極性溶剤には耐性がありません。Oリングの耐薬品性 (接触流体と材質の適合性)にてより多くの液体や気体に対する耐性の一覧を掲載しておりますので、下表と併せて参考にして下さい。

薬品名 耐性 薬品名 耐性
アセトン × シンナー
×
アニリン ジェット燃料
亜硫酸ガス スピンドル油
アンモニア水 100℃水蒸気 ×
IPA テトラヒドロフラン ×
エタノール 灯油
エチレングリコール トリクロロエチレン ×
エチレンジアミン × トルエン
エマルジョン系作動油 動物油
塩酸 ナフサ
エンジン油
二酸化炭素
王水 × フッ酸
過酸化水素水 フレオンR134a ×
苛性ソーダ × ブレーキ油
苛性カリ × プロパンガス
ガソリン ヘキサン
カップグリス ベンゼン ×
ギア油 マシン油
キシレン
軽油 水系切削油
ケロシン メタノール ×
酢酸 × MEK ×
酢酸エチル × ラッカー ×
硝酸 × りん酸エステル系作動油
植物油 硫化水素
次亜塩素酸ソーダ 希硫酸
シリコングリス リチウムグリス
石灰水 鉱油系冷凍機油

◎:使用可 〇:多少の影響あり △:あまり推奨しない ×:使用不可

注)上記は参考データです。温度や圧力、その他の条件によって使用可否は変化します。

 

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FKM-90(90°FKM/高硬度フッ素ゴム/バイトン90)の使用について

主な使用箇所

  • 油空圧シリンダー、ピストン、ロッドの密閉部
  • 高圧高温ケミカルポンプのハウジング及び接続部
  • 高圧高温バルブのステム及び接続部
  • 高圧高温継手のシール材
  • 産業用設備の高圧密閉箇所
  • 高温高圧ガス設備の密閉箇所

 

 

取扱注意点

  • 耐候性に優れ、光や熱による外部影響を受けにくい材質ではありますが、念のため湿度の低い冷暗所で保存して下さい。
  • 負荷が掛からない状態で保存して下さい。伸長や圧縮状態で保存すると変形や亀裂が発生し易くなります。
  • 推奨温度や圧力を超えてのご使用は、急激な劣化を起こします。ご注意下さい。
  • 適さない流体との接触には十分注意して下さい。

 

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