桜シール株式会社【Oリングの製造・販売】
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Oリングとバリ(パーティングライン、バリ線)

Oリングをはじめ、圧縮成形による多くのゴム成形品には、金型の合わせ目に沿って表面上に薄らとした線状の突起を確認することが出来ます。これは、プレス工程に於いて金型の合わせ目の隙間から溶融したゴム材が、そのまま架橋されて固化付着したもの、つまりバリ(スピュー)を製品から取り除いた形跡です。この部分をパーティングライン、或いはバリ線などと呼び、日本工業規格(JIS B 2401)に定められている外観基準では、等級別の許容限度が掲げられています。ここでは、バリの除去工程(仕上げ工程)やパーティングラインの影響、抑制方法などを解説いたします。Oリングの選定や設計に係る技術資料としてお役に立てて下さい。

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Oリングとバリの除去工程(仕上げ工程)

前述のとおり、Oリングなど多くのゴム成形品の表面には、バリを取り除いた形跡であるパーティングライン(バリ線)が存在します。殆どのOリングは上下2分割の金型による圧縮成形によって生産されており、プレス工程で金型から取り出されたOリングの半製品は、以下の写真のようなシート状をしています。

 

以下が、上記半製品の断面写真です。Оリングとなる部分以外は全てバリとなりますが、それぞれの部位にはバリを除去し易くする為の役割があり、名称を持っています。


シート状のOリング半製品は、以下の写真のように食い切り溝(耳)を引っ張ることで、食い切りに沿ってバリを取り除くことが出来ます。この際、Oリング材質(ゴム材質)の種類によって食い切りの切れ具合は大きく異なり、例えば硬さの高い材質や伸び率の低い材質では切れ具合が悪くなって、刃物による追加工が必要になる場合があります。

 

このように、プレス工程直後の半製品には次工程(仕上げ工程)でバリの除去が容易になるような工夫が施されています。仕上げの方法にはいくつかの種類がありますが、代表的なものは以下のとおりです。

 

 @ 手作業による仕上げ

バリの除去に於いて、最も一般的な方法です。人の手によって食い切り溝を引き抜いて、製品を取り出します。

 

 A 打ち抜き機(抜き型)による仕上げ

数量の多い小口径Oリングに多用されている方法で、Oリングのサイズ毎に内径と外径に合わせた2種類の抜き型を用意し、打ち抜き機によって製品を切り取ります。内径側の後に外径側の加工を行いますが、シート1枚(金型1面)毎の製品取り数を纏めて加工することが出来るので、量産に適しています。尚、精度の劣る抜き型を用いると製品部分を打ち抜いてしまったり、食い切りの切れ具合が悪いと手作業による仕上げよりもバリが残り易かったりといった欠点もあります。


 B タンブリングによる仕上げ

自動バリ取り機とも呼ばれる専用の機械を用いて製品を取り出す方法です。液体窒素やドライアイスなどを製品と共に攪拌し、脆化した食い切りを破断することでバリを除去する方法です。量産に適していますが、打ち抜き機のように製品毎の専用抜き型を必要としません。但し、食い切りだけでなく全体が脆化して攪拌されることとなる為、製品自体も傷付けてしまう危険が有ります。

 

 C 水圧や空圧による仕上げ

現在では、水圧や空圧を用いたバリ取り機なども開発されています。圧力と攪拌で食い切りを吹き飛ばす原理で、タンブリングよりも製品に傷が付き難い長所があります。 

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Oリングとバリ(パーティングライン)の影響

Оリングの製作は圧縮成形に拠る為、1個のOリングに於けるOリング材質(ゴム材質)物性は、基本的にはどの部分も均一の強度を有しています。従ってパーティングラインが他の部分と比較して特別に弱くなるということはありませんが、製品や使用に特定の条件が重なったときに、Oリングの性能に影響を及ぼすことがあります。シール材としてのОリング使用方法は、大別して平面溝または円筒溝で使用される場合に分類されます。平面溝での使用に於いては、Oリングのシール面とパーティングラインが90度ずれる為、バリの影響は殆どありません。一方、円筒溝での使用に於いては、シール面とパーティングラインの位置が重なる為、極端に言えばシール面に突起物があるような状態となって、以下のような事象を発生させることがあります。但し、どの事象もOリングの使用方法が不適切であったり、Oリングの品質が低かったりした場合に起こり易くなる現象であり、通常の設計で殊更に意識する必要はありません。

 

 @ シール不良

突起物の有る箇所でのシールは、シール応力が均等でなくなることから部分的な漏れを誘発することがあります。つぶし代が小さ過ぎる場合などには、特に発生し易くなります。

 

 A 摺動不良

Oリングを運動用で使用する際、潤滑性の高い状態であれば問題ありませんが、無潤滑、若しくは潤滑性が低い状態であると摩擦抵抗が大きくなり、バリ部分を基点にОリングが捩れ易くなり、破損してしまうことがあります。

 

 B 異物(残留バリ)流入

Oリングを運動用で使用する際、潤滑性が低い状態であると摩擦抵抗が大きくなり、パーティングライン上に残っている僅かなバリ片が脱落して、シール対象の流体に入ってしまうことがあります。上記AのようにOリング本体が破損する訳ではなく、流入してしまうバリ自体は微小な破片ですが、使用箇所によっては問題となることがあります。

 

尚、パーティングラインとは別の部分に生じる典型的なバリ不良のひとつに、薄バリ付着を挙げることが出来ます。プレス工程直後で温度が高い状態のOリング表面に薄バリ端部が接触して貼り付き、そのままの状態で2次加硫のような熱処理が行われて粘着してしまう現象です。粘着しているだけなので擦れば除去することは可能ですが、そのまま使用すると異物が咬み込んだ状態なので、シール不良を起こす原因となる危険があります。

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